柳橋、福田小学校のクラスの中に、保田さん、
斎藤さん、広瀬さん、山下さん、小林さんという人はいませんか?
その人たちのごせんぞ様が、この引地川の
水で田んぼや畑を作りました。
それが、福田村のはじまりです。
このお話しは、福田村をかいたくした福田九人
しゅうの一人、小林大玄さんの奥さん、
小林糸さんのお話しです
糸さんが、村のひとたちや子どもに悪さをする
ので、少しこらしめようと、おなかのいたくなる
薬をお酒の中に、ほんの少し入れて、わざと
そのごちそうや、お酒をのこして村人は
帰りました。
糸さんはびっくりです。だってむしろの上には
大好きなお酒やごちそうが、たっぷりと、
のこっています。
「おいしいな、おいしいな、こんなにおいしい
ごちそうは、久しぶりだ  ムシャムシャ・・・・」
かたっぱしから食べはじめぜんぶ食べて
しまいました。
春、桜の花がまんかいです。
村の人たちは、お花見をすることにしました。
桜株(いなげやから線路をこえて四つ角のあたり)にみんなが、ごちそうや、お酒をいっぱいもってお花見です。糸さんのいる山にも、おいしそうなにおいが、プンプンとにおってきます。
「おやっ? いいにおいがするぞ・・・」はなを
ピクピクさせて山からおりて、木のかげから
村人のようすをみていました。
村の人も糸さんを見つけました。
村の人はこまりました。
山の畑にもでられず、子どもは外にも
でられなくなってしまったのですから・・・
村の人は「わ」になってそうだんです。
なにか、良いちえはないかな・・・
なんとかしなければ
「ひとりだとさみしいよ・・・かなしいよ」と
ボロボロなみだがこぼれてきます。
そして、さびしさのあまり、とうげを通る人を
大玄さんとまちがえて、追いかけたり、
とうとう村のこどもたちをさらってくるように
なりました。
ある日、いくら待っても大玄さんは帰って
きませんでした。毎日、大玄さんをさがして、さがして遠い、座間までさがしに行きました。
つかれて、足がフラフラになり、かなしさと、
せつなさで、なみだがぼろぼろにこぼれ、
泣きながら夜の道を帰る日が続きました。
いくら気の強い糸さんでも、いつしか頭が
おかしくなってきました。

糸さんはお酒が大好きで、またとても気が強く
大玄さんとよくけんかもしました。
でも、本当は糸さんは大げんさんが
大好きでした。
大玄さんは、しゅげんしゃ(山ぶし)なので帰りがいつもおそく、糸さんは心配で心配でたまらず、毎日坂の上を行ったり来たりして、大玄さんの帰りを待っていました。

福田のやまんば